Je t'aime?



「怜奈、自分では気づいてないかもしれないけど…」



祐太は、カップの紅茶をじっと見つめて言った。



「最近、ウジェーヌの話題ばっかりだからさ」



ああ…やっぱり気になってたんだ…。



「…ごめんね、祐太の気持ちも考えないで、うかれちゃって」



「いや、謝ってほしいわけじゃなくて、怜奈は俺と付き合ってていいのかなって思ったんだ」



その淡々とした口調がなんだか怖くて、私は自分の目が泳いでいるのがわかった。



別れる、なんて言われたら…。



「え…どういうこと…?」



意味はわかっているのに、わざと聞き返してしまう。



祐太は、カップを手にとって、紅茶をひとくち飲んだ。



さっきまでのやさしい祐太は、どこかに行ってしまった。



「怜奈は、ウジェーヌのこと、どういうふうに思ってるの?」




< 154 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop