Je t'aime?
待ち合わせまで、あと一時間半。
私たちは、じっくりと時間をかけて、展示を見た。
笑えてしまう滑稽なデザインの、ブリキのおもちゃ。
劇画タッチが怖い絵柄の、お菓子のパッケージ。
置いておくだけで絵になる、オシャレな化粧品のボトル。
そのどれもが、発売当時は最先端だったのだ。
今より不便で、だけどその分、夢にあふれていた時代。
私はいつの間にか、その世界に引き込まれていた。
「すごいね、ウジェーヌ」
「よくこんなに集めたね」
計画にはなかった場所だけど来てよかった、と心から思えた。