手紙


……!!

恥ずかしいじゃないか!!


「でもたぶん、柚縷気付いてたよ。俺が葵のこと気になってたの」

「え?気付いてた?」

「実際柚縷は七年間も片想いをしてたから、本当はその相手の葵に恋をすることに罪悪感もあったんだ」


……そっか、友達の好きな人を横取りされるって嫌だもんね。

いや、あたしの場合は勝手にライバルとか言ってた奴が別に何とも思ってない相手を横取りしたんだけどね。


「恋は自分の意志とは別に動いちゃうんだよね。どう頑張っても、止められなかったみたい。いつの間にか気付かれてた」

「そうなんだ……」

「柚縷が告白した後……葵が柚縷の家を出た後に、次はお前の番だって言われた。手紙を渡している間に気付いてたみたい。顔に出てたかな?」


いや、翼の場合は態度に出ると思う。


「まぁそういうことだから、これからもよろしくね、葵」

「よ、よろしく……翼」


こうして、あたしたちは付き合うことになったのです。

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