手紙


お姉さんは、どうすればいいのか分からなかったんだ……。


「確かに生きてくれてたことは、とても嬉しかった。でも、どこかで人が変わっていたら……って心配してたみたい」


確かに、こういうきっかけで何かが変わってしまう人もいる。

心を閉ざす人もいる。


柚縷ちゃんだって、生きることが分からなくなったんだ。

普通の人でさえ、ちょっとのことで気持ちが変わるんだ。


でも、その人のもともとの性格を信じてちゃんと対応出来れば、それだけでも未来が明るくなるでしょ?


信じることは怖いけど、信じることで絆は深まる。

硬くて丈夫な絆の糸は、きっとどんな困難でも乗り越えられるはず。


「お姉さんもたまには柚縷ちゃんに顔を見せてあげてね。知ってる人が来るだけでも頑張ろうって思えるはずだから」

「……近いうちに行ってみる」


そう言って、お姉さんは笑った。


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