手紙


確かに、涙はとまった。


だって、ものすごく驚いたから。

だって、ものすごく心地がいいから。


自然と目を瞑っていた。


恥ずかしかったけど、待っていた。

心の奥の方で、ずっと待ってたんだ。


そっと離れた唇に、ちょっぴり名残惜しい。


「翼、好き」

「……俺も、大好き、葵」


この甘い雰囲気だけでとろけちゃいそうだよ……。

バレンタインがこんなに甘いものなんて、思いもしなかった。


ただ心が通じるチャンスの日としか思ってなかったから。


でも、その考えを覆したのは翼だよ。

翼と出逢ったおかげで、いろいろなことを知っていくね。
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