15才でママになった理由(わけ)
奈都の笑顔を久しぶりに見た気がした。


賛成してくれるかな。


「突然で話しについていけないけど、結婚に反対はしない。母さんと橋本先生は一緒に住めばいいよ。私はここに残るからね。」


なんで、そんな事言うかな。


「駄目だよ、奈都を一人に出来ない。」


「一人じゃないよ。琢哉さんと琢磨がいる。」


やはり、奈都は何も知らないんだね。


琢哉君は何をかんがえてるんだか。


「琢哉君と琢磨はここを出て行くのよ。」


奈都、落ち着きなさい。


「嘘、どうして。」


奈都が取り乱していた。


「琢哉君は琢磨連れて九州に帰るの。琢哉君の叔父さんが働けなくて、琢哉君が叔父さんの仕事を継ぐらしい。」


奈都が泣きだした。


そうだよね。


「琢哉さん、なんで私に話してくれないのかな。」


奈都の息が荒くなる。


「落ち着きなさい。又胸が苦しくなるよ。」


こうなる事が分かっていたのに。


琢哉さんはどうして、こんな事をするかな。


「私に相談してくれないの。私が子供だから、琢哉さんと離れたくないよ。琢磨を取らないで。」


奈都お願いだから、そんな自分を追い込まないでほしい。


奈都が苦しむ姿を見たくない。


奈都の笑顔を見たいのに、又泣かせてしまった。


ごめんね、奈都。


今はどんなに辛くても耐えてるしかない。


母さんにはどうしてやる事もできないから。












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