15才でママになった理由(わけ)

記憶喪失

お父さんから中々連絡が来ないから、母さんが父さんの携帯へ電話した。



【琢哉さんの具合はどうなの。 】



【・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 】



どうしたの。



父さんが何を言ってるのか分からない。



「母さんどうしたのよ。琢哉さんは元気なんだよね。琢磨は。 」



母さんと父さんは何を話してるの。



なんで、母さんはそんなに驚いてる訳。



何も答えない母から携帯を取り上げ、自分の耳に当てた。



【琢哉君は頭を強く打って記憶喪失なんだ。自分が誰なのかも分からない。自分の子供の事もう忘れるし、阿紀のことも奈都のことも全く覚えてないんだ。】



【先生は一過性のもので直ぐに記憶は戻ると言ってるが、なんの為に九州まできたんだか。瑠色聞いてる?】




嘘だ。



琢哉さんが記憶喪失だなんて。



私の事忘れてしまったなんて、そんなの嫌だよ。



私はどうしたらいい。




お腹の赤ちゃんはどうなる。




赤ちゃんの事を、琢哉さんに話せないなんて、そんなのやだよ。




神様はどこまでも意地悪するんだね。



私にどれだけの試練を与えるのだろ。










< 266 / 320 >

この作品をシェア

pagetop