15才でママになった理由(わけ)
お姉ちゃんありがとう。



お姉ちゃんの大切な人を好きになってごめんなさい。



お姉ちゃんは私の気持ちに気づいていたのかな。



「お姉ちゃんは私が琢哉さん好きな事知ってたみたいで、日記に書いてあった。」




どうして、分かってしまったのかな。




必死に気持ちを隠していたのに。



「私と奈都どっちが好きって聞かれ、困った事があったな。」



お姉ちゃんは、何でそんな事を聞いたのだろ。



「そんなの決まってるのにね。お姉ちゃんは何を心配してたんだろ。」



琢哉さんが笑った。



「本当は最初に一目惚れしたのは、奈都なんだよ。」



嘘だ。



そんな事あり得ない。



「この話しは阿紀にも言ってない。奈都まだ中1だったし。」



お姉ちゃんごめんね。嬉しくてつい浮かれちゃった。



「奈都、冷えるから車にもどろう。」



「一週間前に奈都が手紙くれただろ。その中にお母さんからのメモと赤ちゃんの写真が入っていた。赤ちゃんの写真を見た時、吐き気と酷い頭痛に襲われ、最後の夜の事を全てを思い出した。」


そうだったんだ。


「俺と奈都の赤ちゃんなんだと理解出来た。寂しい思いをさせて、ごめんな。」



ううん、寂しくなんかなかった。



琢哉さんと必ず会えると信じていたから、もう絶対に離れたりしない。



ずっと、こうして琢哉さんの腕の中にいたいな。









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