名前モモ、口癖ドブス、職業あたしの恋猫。
それぞれ押していた自転車を止めたまま、公園にまで繋がっているたくさんのねこじゃらしを見つめた。


たまに吹く風でザザッと揺れる風景は、緑色の波みたいでとても綺麗。


「……てか、岡田。帰る方向こっちじゃないくせに、なんでさっきからずっと普通についてくんの?」


「もうすっかり秋だからな」


意味のわからない回答に、せっかく岡田のことを見直していたあたしはグッと眉をしかめた。


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