名前モモ、口癖ドブス、職業あたしの恋猫。
小さな独り言が、広いのか狭いのかもわからない世界に吸い込まれていく。


「……ウソ、だよね?」


だってあたしはここで息もしてるし、手足も動く。


震えながら、かじかんだみたいにギュッと両手を握り合わせた。


指先にだってちゃんと感覚もある。


スカートに隠れた太ももをゴシゴシこすってみた。


うん、たしかに撫でられている。


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