名前モモ、口癖ドブス、職業あたしの恋猫。
あの日だけじゃ終わらなかった毎日のモモの一言があったから。


多分それがなかったら、とっくに書かなくなっていた。


きっと、書けなくなっていた。


あたしはもともと細かいことを気にしない元気な人間なはずで、入院中からケラケラ笑ってばかりいて。


大怪我をしたけどそれでクヨクヨするのはらしくないって、自分でもそう思っていた。


でも。


そのせいで泣き言を言える場所がどこにあるのか、わからなくなってしまっていた。


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