色つきリップ〜紅い唇〜
 


「大野、待ってよ!」


聞こえているのか聞こえていないのかもわからない。


わかるのは、大野が遠くなるその背中だけ。


追い掛けても
追い掛けても


この手は届きそうもなくて


とても怖い。



大野行かないで


お願いだから


待ってよ


うまく歩けないわたしを


大野に追いつけないわたしを


待っててよ……


ゆっくり、じゃダメなの?


大野と同じ早さじゃないともうダメなの?


いつか


ちゃんと追い付くから……


お願いだから


振り向いてよ……





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