色つきリップ〜紅い唇〜
踏んでいた上履きの踵に指を入れて、きちんと上履きを履き直した後またわたしは走り出す。
さっきよりも早く走れるその上履きで、保健室の前の大野にたどり着いた。
「大野……」
「……」
保健室の前で、やっと振り向いた大野は、見下ろすようにわたしの顔を見た。
大野と目が合った瞬間、投げ掛けたかった言葉が消えて何も言えなくなる。
顔を見ただけで、こんなに胸が痛いから。
「お前、何しに来たの?」
「……」
「さっき言った言葉、アレ、マジなんだけど?」
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