色つきリップ〜紅い唇〜
レッド
 


とぼとぼと歩く部室までの道のりはとても遠い。


保健室の扉の前で立ちすくんでみても、中に入ることなんて出来なかった。


言えなかった気持ち


言えなかった言葉


そして


痛いほど伝わって来た大野の気持ち


何も返せななかった、わたし


何故


こんなに


すれ違ってしまったの?


ただ一生懸命毎日を過ごして


ただ一生懸命好きな人を想って


忙しい毎日を送っていたつもりの


自分の気持ちで精一杯だった


ちっぽけなわたし




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