色つきリップ〜紅い唇〜
イエロー
 


次の日の放課後。


わたしは今日も空を見ていた。


外は雨。


もう梅雨も終わりの、柔らかい雨。


しとしと優しいその音を聞きながら、わたしは灰色に染まった一面の空を見ていた。


昨日までのやるせなさはもう無い。


それなのに溜め息をついてしまう理由はひとつ。


「……結局今日1日、大野と話せなかったよ……」


昨日、『もう部活に行くつもりはない』と言った手前、どんな顔して部活に出ればいいんだろう……




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