ライナーアンドザ・スカイ
俺の身を案じてか。
面倒だったのか。
一番近い病院に着くと、担任は迷わず正面玄関へと向かった。
二つの自動ドアを抜け、中に立っている白衣の男性の前で立ち止まった。
「よお」
「いつも人を使いやがって」
「どうせおまえは暇だろーが」
訝しげにその白衣の男を眺めていると、急にこちらに目を向けられた。
「また野郎か」
俺を見てそう言って、舌打ち。
その医者の名札には「外科部長」の文字がある。
もしかして俺、この男に診てもらうの?
ていうか、部長暇なの?
「で、どうしたんだ」
「…あ、えっと腕を鎌で傷つけてしまいまして、血がたくさ……」
「ついてこい」
外科部長は、俺が言い終わる前に歩きだしてしまった。
担任も無言でその後に続いた。
俺、怪我したのに誰も労わってくれない。
そんなやるせない思いを抱きつつ、二人の後を追った。