15歳、終わらない3分間
情けない自分に嫌気がさす。


大庭君にきちんと事情を説明することも出来ない。

携帯電話が圏外じゃないとも言えない。


その上泣き出すなんて。





「無理しちゃダメだかんね?」


さっき私が言った言葉を今度は日下さんが言ってくれる。

その上小走りで駆け寄って来てくれて、背中をぽんぽんと撫でてくれた。



手の甲で頬を伝う涙をこすっていると、青野君がタオルを私の目の前に出してきた。

「部活で使ってんのだけど、まだ汗拭いてねぇし」

そう言う彼に日下さんがふざけて「それほんとー?」と聞いている。

「ほんとだって!」という青野君がちょっと焦っているのが可笑しくて、思わず笑ってしまう。


 
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