花言葉



「もしもし…桜井くん?」


相手が純ではなくて、落胆する気持ちを抑えながら電話に出た。



「華原!!????」


電話越しの彼の声はとても切羽詰っていて、私もつられて不安になった。


「どう、したの?」


「純、が…純が…っ、事故で…」







それからのことはあまり覚えていない。


純が待ち合わせ場所に来る途中に交通事故に遭って亡くなった、ということだけは認識した。



それからは毎日が地獄のようだった。


純が居ない毎日。

生きていても何の楽しみもなかった。




その日は頑張って単位を取った純をいっぱい、いっぱい褒めてあげようと思っていた。

すごく迷いながら選んだ服だって純に見て欲しかった。



それは、叶わないこととなってしまった。




あれから、もう二年が経とうとしている。


今でも純のことを思い出さない日はない。



でも、私は確実に一歩ずつ進んでいってるよ。

前向きに生きていこうって決めた。


だから、しっかり見守っててね、純。




私は今でも、あなたを愛しています。











「金盞花」

花言葉  別れの悲しみ、悲嘆





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