ピュア *first love*



「……俺のことはいい。彼女を悪く言うな」

「な、何だよ。みんなお前を元気づけようとしてるのに。いつまでもしらけた顔してんじゃねーよ!」

「だからそれが余計なお世話なんだよ!」

「あ? やんのか!?」



桜庭は立ち上がると、グッと俺の胸ぐらをつかんでくる。


悲鳴が響く教室内。


まわりのみんながやめさせようと、俺と桜庭を引き離す。そして、桜庭は吐き捨てるように口を開いた。


「コミュ障のような病んだ女が好きだなんて、お前も物好きだな!」



……ああ、もう、我慢の限界。


プチんとキレた俺は、まわりの制止を振り切って、桜庭に殴りかかった。



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