ピュア *first love*



「……相馬くんらしくない。いつも冷静に先のことを考えてくれるのに……何か悩んでるの?」


全てお見通し。優柔不断な格好悪い自分を見せたくなくて、慌てて口を開いた。


「冗談だよ。ごめん。あみがかわいいから、つい言っちゃっただけ」

「嘘だ!」

「半分は……いや8割くらいは本気だったけど。全力で誘ってたら、受け入れてくれた?」

「こんな朝からいいわけないでしょー! ばかぁ!」


この時はどうにか、笑ってごまかせた。


ごめん……ごめんね。俺ってなんて情けない彼氏。



いつか頼もしい大人になって、あみを幸せにするから……。


それが俺の夢。
将来の夢だと気付いた瞬間だった……。



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