ピュア *first love*



そして、最後の一冊。


彼女は一生懸命、背伸びして、一番高い本棚に入れようとしている。


ぷっ……ちっちゃいのに、脚立を使わなきゃ届かないでしょ。


後ろから手を伸ばして、彼女の持つ本を取って、本棚へなおしてあげた。


「あ、ありがとう」



振り向いて俺を見上げてくる彼女との顔の距離は、かなりの至近距離……。


吸い込まれそうな大きな瞳。プルンとしたピンクの唇。まじでかわいい。


彼女は本棚に背を向けて、俺に挟まれている状態。



夕焼け色に染まる図書室に、二人きり。


ずっと、ずっと、触れてみたかった髪が目の前にあって。



彼女の顔の横に……両手を置いた。



「……髪……触ってもいい?」

「え……」




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