また恋をした、その時に。



  「大丈夫だから……」

心美ちゃんは勢いよく僕の手を払う。

どうしよう………
また傷つけちゃったかな?

そうだ…
心美ちゃんメールで言ってた。

かまわないでって・・・


でもこの状況、かまわずにはいられないよ。



「ごめん…」

彼女から視線を逸らし、
コートに戻した時だった。

まゆをひそめ、険しい表情の小日向君が視界に入ってきたのは。

彼の足音がどんどん大きくなっていく…


「遠藤さん、顔色良くない。
保健室に行こう。」

そう言いながら彼は
心美ちゃんの細い手首を掴み、
体育館を出ようと足を進める…



「え…ちょっと…小日向…」

彼女は驚いている様子だった。

何回も視線が送られる。

だけど
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