また恋をした、その時に。


「ええ?リク君何処に行ってたかと思ったら…」

彼女は目を大きくさせて、弁当箱の蓋を開けようとしていた手を止める。


「…うん。具合が悪いだなんて柏山に嘘までついて来てくれた。

それでね、リクの顔見ていたら…なんだか素直になんなきゃって…そう思ったんだよね。

なんか悲しくなってきてさ。

これから離れ離れになっちゃう、みないな…」

そう言いながら、
保健室で見たリクの儚い笑顔をまた想い出してしまった。


「もう、それお互い好きじゃん。

早く付き合えばいいのに…

それに?リク君転校してきたばかりなのに、どうして離れ離れなのよ?」

笑顔の後、不快そうに一瞬顔を歪ませるヒカリに

「そうだよね。」

と、苦笑いで返す。



どうして
こんな事思っちゃったんだろう。

───そう。

リクはこれからもずっと一緒だから。

少なくても、高校卒業までは。


そう思っていたのに。

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