また恋をした、その時に。


かなうはずもない。


スポーツも得意で

勉強だって出来る。

周りからも慕われていて。

そんな彼に

勝てるものなんて1つもない。




目をぎゅっと瞑り、
2文字で返事をした。

   「……うん。」



ダンッ…………


またも、僕の背中に振動が伝わって。

彼が握りこぶしで体育館の壁を叩いた音だ。


「やっぱり、納得いかねぇよ。
リクの想いはそんなもんだったんだな。」


そう言い残して、立ち去って行った。


     違う。


心美ちゃんを想う気持ちは
誰にも負けないよ。


だって、

彼女の事考えるだけで胸がぎゅうってなって

愛しくて、たまらない。

僕にとっとこんな特別な女の子なんていないから。


へなへなとその場にしゃがみ込んだ僕。


その時だった。


「バカリク!!!」




     へ?

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