僕の大好きなお姉ちゃん



「行くぞ」



そんな女の子を無視して、
彼方はスタスタと自分の席に向かう。


そして、
あたしはその後をついて行く。



なんたって、
あたし達は隣の席だから☆


兄弟で同じクラス、
隣の席…って、凄い奇跡だよね!


あたしは、
この奇跡が嬉しいんだ♪



「やっぱいいよね~…奈々は。
いつも彼方くんと一緒で~」


「でも、兄弟だからねえ」


席に向かうとき、
そんな会話が聞こえてきた。





そう。


あたしは、彼方ファンに妬まれることはない。
なぜなら、姉弟だから。



隠しているわけじゃないけど、
みんなはたぶん、
あたしと彼方は血が繋がっていないことを知らないと思う。



だから、「姉弟だもんね」で、片付けられる。



< 9 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop