切なさの距離~友達以上、恋人未満~
卒業【Hinata】
「ばかっ…湯川の…ばかっ…」
角を曲がったところでうずくまった。
涙が視界を遮る。
腹が立った。
素直になれない自分に。
あれでよかったのかもしれない。
でも、あたしは何も伝えられていない。
ずっと一緒にいたい、ってことも
行かないでほしい、ってことも
…好きだ、ってことも。
こんなの…ヤだよ…
顔を手で覆う。
そして体重を壁に預けた。
足の力が抜け、地面に座り込む。
周りから見れば怪しかったかもしれない。
それでも、よかった。
そんなことが気にならないほどにあたしは、ショックを受けていた。