切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「はい、これ」
ベンチに戻り、キンキンに冷えたお茶を裕実に渡す。
「あ、ありがとうっ!」
裕実はそう言ってふっと微笑んだあと、お茶のフタを開けた。
「ふぅ~やっぱおいしい!」
ただのお茶なのにやけに大げさなリアクション。
それでも俺の心はなぜか踊り出すんだけど。
「学校はどう?楽しい?」
毎度毎度裕実は同じことばかり聞く。
そして俺はそれに対しいつも
「裕実は?楽しい?」
と、聞き返す。
学校なんて楽しいワケがない。
授業はつまらない。
休憩時間だって連む友達もいない。
して言うなら部活。
あの時間だけは楽しい。
今まで張り合えるようなヤツはいなかったけど今は日向がいる。
だから部活だけは楽しいと思える。