____苺の季節____
広い胸が少し震えてた。


「少し…まだ…こうしてたい、


杏奈って小さいけど、あったかくて安心するから、こうしてると気持ち良いんだ」



「あたし……、ぬいぐるみ…じゃないよ?」


「バーカ、そんな意味じゃねーよ」


あたし、腕の中で、クスクス笑って、ちょっぴり泣いた。



鳴海の胸の音が響く。



トクン、トクン…と繰り返す優しさを聞きながら、さっきのお母さんの伝言を噛み締める。



鳴海が囁いた。



「杏奈?

今日……、俺、ここのグラウンドで走るから見ててくれ」



見上げるとエネルギーを充電したみたいな笑顔。


あたしもつられて微笑むよ。

「走ってる鳴海を見れるの?」


鳴海の腰に掴まったまま見上げる。


「初めてだろ」


「うん!初めて、初めてだよ」

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