____苺の季節____

私、可愛くなんかない!

「杏奈……!ちょい話がある」


昼休み、一人でぼんやりと4階のテラスから、ロビーを見下ろしていると、


鳴海があたしの手首を掴んで言った。


突然過ぎて驚いた。


鳴海は、黙ったまま、あたしをどこかに連れてく。



「鳴海?どこに行くの?」


「良いから来て」



鳴海が話しかけて来たのは久しぶりだった。


入学式以来、挨拶を交わす位しかしてなくて。


理由はわからない。


あれ?どうして、話していなかったんだっけ。


手を引かれながら、

先を進む鳴海の靴の動きを目で追いながら、考えたけどわからなかった。

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