山賊眼鏡餅。
「メンバーが揃ったな。それではランチにしよう」

沼袋部長が言う。


「平田は?」

私が言うと沼袋部長は答えた。

「平田君は、溺れたことがショックで、しばらく一人になりたいそうだ」


意外とナイーブだ。


「いやらしい本をお母さまに見つけられて叱られたのも原因みたいですよ」

目黒さんが得意げに言う。


「いやらしい本?」


「なんか、水着とか半裸のいやらしい写真集がシャワールームの脱衣所に置きっぱなしになってたんです。私もびっくりしてしまって……」



明らかに、それは私が平田の部屋からうっかり持ち出してしまった写真集だった。


気付いたら写真集を手に持ったままプールサイドに連れてこられていたので、着替えのときに脱衣所に置いておいたのだ。


平田が溺れたりしてすっかり存在を忘れていた。




「朝シャワーをお借りした時に、私が第一発見者で……ショックでした」


「泊まったの!?」


「ええ。まあ」


「なんでそんなことに!?」


「休ませてもらっていたら、遅くなってしまって、泊まらせていただきました。もちろん部屋は別々です」

顔を赤らめて目黒さんが言った。

おませさんだ。



「それでは、さっそく本題にはいろう」


沼袋部長が言った。
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