「REAL」―あるアイドルの告白―
だけど、キャバクラは、全然働きやすいところなんかじゃなかった。

女どうしのイジメも、凄まじかったし。

新入りのくせに、高価なアクセサリーをつけてるからとか、メイクがうますぎるからとか、

そんな理不尽な理由で、あらぬ中傷を受け続けた。

あたしは、その度にかつてのイジメをトラウマのように思い出して、何度も吐きそうになった。


オンナなんて、いくつになっても変わらないよね。

相手をなんとか蹴落として、自分が一番輝いていたくて。

それは、高校生の頃から、なんにも変わってない。

女のひとって、きっと一生そうなんだろうね。

いくつになっても、誰よりもキレイで、いい女でありたくて。

それこそおばあさんになったってさ、「美人ですね」って、やっぱり言われたいんだよね。
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