【コラボ】碧きコ惑のミューゼ~黄昏の彼方~

また通行税を取られるのは
嫌だったので、ノインは
街の外に車を置いていた。
もちろん、ホテルに泊まる
お金はない。
歩いて車まで戻って、食事して、
車で寝るのだ。
シャワーなんか、
ベットなんか、いらない。
そういう自分を
思い出しそうになる。

馬にまたがった警官を見ながら、
石畳の道を歩き出した。

孤児だった自分は
食べるために、兵隊になった。
両親は医療チームにいて、
小さかったノインも一緒に
近くの町に住んでいたらしい。
ほとんどこの頃の記憶は
ないのだけれど、
おそろしく平和な時間が流れていた
ことだけ、強烈に覚えている。
なのに、突然起こった革命が
両親の命を一度に奪った。
こともあろうに、医療機関を
彼らは爆破したのだ。
もう、革命なんかじゃなかった。
あんなのテロ行為でしかない。
そうしてノインは、
まともな子供時代を失った。
異国の人間の命を救う。
崇高な志を持った二人の魂から
生まれたハズなのに、
その土地で、人を殺しまくった。
父の国からは何の助けも
来なかった。
母の国籍は日本で、
だけれど、ノインを見つけ出したのは
別の国の人間だった。





< 12 / 102 >

この作品をシェア

pagetop