【コラボ】碧きコ惑のミューゼ~黄昏の彼方~

ベリルは黙って見ている。
何で抵抗しないんだ?
もしかして、見透かされてる?
そんなベリルを、撃てる??
ノインは頭が強く拒むのを感じながら、
指に力を込めた。
弾が発射され、真っ直ぐに、ベリルの
胸に向かう。
それは彼に到達すると、めり込み、血
を吹き上げた。
ノインはベリルが倒れるのを尻目に、逃
げ出した。

車に乗り込み、走らせる。
少しすると追跡者が現れた。
思ったとおりだ。
オシゴト成功の暁には、ノインも殺され
ていたのかもしれないけれど、こういう
予期せぬ行動に出られたら、どうするだ
ろう?
そう思ったのだ。
ベリルはきっと物凄く痛がりながら、け
ど、それはただのダメージとして、再び
生きき続けるだろう。
ベリルのいう”組織の人間”も爆発に巻
き込まれたらかなわないから、ベリルの
周辺にはいないだろう。
このスキに、ベリルは一旦逃げて、回復
するに違いない。
ノインはスピードを落とした。
追跡者は、ノインを追い越して、目の前
に停車した。
止まれ、ということか。
ノインはキュッとブレーキを踏むと、待
った。
助手席から人が降りてくる。
身のこなしと、服の生地の動き方からし
て、羽織っているシャツの下、ズボンの
ウエストに銃をねじ込んでいるのが分か
る。
ノインはそっと拳銃を確認した。


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