光を背負う、僕ら。―第1楽章―
「ごめんみんな、先に帰ってて。教室に取りに行ってくる。」



「えっ、待ってるよ?」



「そんなの悪いからいいよ。ほらっ、雨も降りそうだし。」




空を指差しもう一度空を見上げると、さっきより雲が黒くなっているように見えた。



みんなもそれを見たらしく、申し訳なさそうに口を開いた。




「…じゃあ、悪いけど先に帰るね?」



「うん、そうしてくれると嬉しい。バイバイ。」



「バイバイ。」




みんなは別れ際に手を振り、雨が降らないうちにとそそくさと帰っていった。




「…そろそろ行こうかな。」




みんなに手を振り、みんなが帰っていく後ろ姿をしばらく見送ったあたしは、ため息まじりにそう呟いて、先ほど履き替えたスニーカーを上履きに履き替える。




また教室に戻るなんて、なんだか面倒臭いな…。




そう思うものの、使用済みの水着が入ったプールバッグを学校に置いていくわけにはいかない。



もとはと言えば、忘れたあたしが悪いのだ。



気分が乗らずに重たい足取りで、一度降りてきた階段を上がって教室に向かった。





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