光を背負う、僕ら。―第1楽章―
さっきからいろいろと考えてばかりで、頭がパンパンになっていくような気がする。




なんだか少し、疲れたな。




そっと瞼を閉じて、ソファーの背も垂れに背中を預ける。



ふわふわの柔らかいソファーにもたれていると、自然と落ち着ける気がした。




……しばらくしてふと閉じていた瞼を開けた時、それは突然あたしの視界に入ってきた。



あたしの瞳に映ったそれは、リビングの角に置いてあるピアノ。



少しだけ古びたピアノ。



いつも見慣れているはずなのに、今日はなんだか不思議なオーラを感じた。



それはこのピアノが、あたしに訴えかけていたのかもしれない。




このピアノとお母さんがだけが知る真実を…。







……ガチャッ




背後で、ドアの開く音がした。



振り向くと、ちょうどお母さんがリビングに入ってきたところだった。



そのお母さんをよく見ると、手に何かを持っている。



その何かには文字が書かれているっぽいんだけど、ここからじゃ遠くて文字を読むことは出来ない。



だけど、形でその何かの正体は少なからずわかった。



あれはあたしも持ってる。



きっと、あれは――…。





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