光を背負う、僕ら。―第1楽章―
そっか……そうだったんだ。



お母さんは、あたしが自分みたいになるのが嫌だったんだね。



せっかく掴んだ夢が崩れ去る絶望感。



お母さんはそれを一番よくわかってるから、あたしに同じ道を歩んで欲しくなかったんだ。




お母さんの言葉から、お母さんがあたしのことをどれだけ思ってくれているか、痛いほど伝わってきた。




お母さんがあたしの将来を心配してくれているのは、すごく嬉しい。



だけど、あたしは……。




「…あたしは、何があっても乗り越えられる。」




気が付くとあたしは真直ぐお母さんを見て、そう決意を告げていた。



あたしの言葉が突然であり意外でもあったらしく、お母さんは目を見開いて驚きながらあたしを見る。




「…それ、本気で言ってる?」



「うん、本気だよ。」




お母さんに確認されても、あたしの決意は揺るがなかった。





< 309 / 546 >

この作品をシェア

pagetop