あなたのペット的生活


昨日もその前も何日かお父さんに会ってない。

なのに、誰もお父さんを探さない。



だったら、私が見つけるしかない。


お父さんはきっと迷子になって泣いてるから。

だから私が見つけて
「もう大丈夫だよ」
って頭をなでてあげるんだ。



だから……早く見つけないと。




「おとうさぁ〜ん!!!!」


何回叫んでもお父さんの返事は返ってこない。


コートの袖で何度も流れる鼻水を拭いた。


お気に入りだった白のコートの袖はテカテカと汚らしく光っていた。



足が痛くなって誰もいない公園の中に入った。


かまくらのように、中が空洞になってる丸いスベリ台があったから、そこに入り込んだとき、
はらりはらりと真っ白い雪が落ちてきた。


< 176 / 422 >

この作品をシェア

pagetop