あなたのペット的生活
昨日もその前も何日かお父さんに会ってない。
なのに、誰もお父さんを探さない。
だったら、私が見つけるしかない。
お父さんはきっと迷子になって泣いてるから。
だから私が見つけて
「もう大丈夫だよ」
って頭をなでてあげるんだ。
だから……早く見つけないと。
「おとうさぁ〜ん!!!!」
何回叫んでもお父さんの返事は返ってこない。
コートの袖で何度も流れる鼻水を拭いた。
お気に入りだった白のコートの袖はテカテカと汚らしく光っていた。
足が痛くなって誰もいない公園の中に入った。
かまくらのように、中が空洞になってる丸いスベリ台があったから、そこに入り込んだとき、
はらりはらりと真っ白い雪が落ちてきた。