あなたのペット的生活


「このままでいいんじゃね?移動するのも大変そうだし」

「うん……別にどっちでもいいんだけど」


「そう」

「うん」




沈黙が私たちを包み込む。

ドキドキが激しく高鳴って、孝ちゃんにも聞こえてしまうんじゃないかって思ってしまう。



「その……」

孝ちゃんの低い声。

この声を聞いただけで全身がしびれる。


「おばさんが言ってたことだけど……本当、ビックリして思わず……抱きしめた……だけで、深い意味はないから」


孝ちゃんの口から漏れる抱きしめたという部分が恥ずかしいからか思っていたより小さな声で、少し笑えた。



「だっ!?……何笑ってんだよ」

「だって、孝ちゃん顔真っ赤」


「チッ。うっせーよ」


この空気好き。


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