あなたのペット的生活
木の葉が作る影を通り、ひんやりとした道。
快適に進んでいく自転車。
セミの鳴き声。
子供の声。
大好きな孝ちゃんとこうしていれることが私の幸せ。
「ほら、着いたぞ」
でも、そんな時間はずっと続くわけもなく、自転車は校門前で止まった。
ちぇ。
現実はそんなもの。
分かってるけど、それでもやっぱり、孝ちゃんの服から手を離す瞬間寂しかった。
縮まった距離がまた開いたみたいって、最初から縮んでなんかないけれど。