あなたのペット的生活
手渡された和菓子の紙袋をもち、孝ちゃん家の車の後部座席に乗り込む。
「おじさん、おばさん。お世話になります」
「やだねぇ。今さらそんな他人行儀なこと言って。私らは家族みたいなもんなんだから、変な気遣わないどくれよ」
「へへへ」
助手席に座るおばさんの言葉。
私にはお父さんもおばあちゃんもいないけど、家族がたくさんいるんだ。
それが嬉しい。
車が走り出して数分。
「じゃ、俺は寝るとするか。着いたら起こして」
隣に座る孝ちゃんは大きな欠伸をすると腕を組んだまま窓に頭を預ける形で眠りだした。