あなたのペット的生活
「そ?ならお前、俺と同じ部屋な。……襲うなよ?」
「誰が襲うか!!」
「バーカ。知ってるよ。んじゃ俺、荷物置いてくるから」
「う……うん」
孝ちゃんはイタズラっ子のように舌を軽く出すと満足したのか私が詰め込んだカバンと孝ちゃんの持ってきていたカバンを背負って階段をゆっくり上った。
“知ってる”か……。
私の気持ちには鈍感なくせに。
ずっと孝ちゃんのこと好きなんだよ?
って、やっぱり言わなきゃわかんないよね。
「本当、孝二は鈍感で困るよねぇ」
「……うん。何も言わずに気づいてくれっていうのも都合がいい話なんだろうけどね」
「まぁ、確かに。告られてもいないと、付き合うことも振ることもできないわけだからねぇ」