執事とお嬢様、それから私
「休暇…でございますか?」
「そうよ。明日1日暇をだしますわ。それで、これを」
「これは?」
「ディスティニーランドのペアチケットよ。」
ピラピラひらめくチケットに雅人が僅かに眉を寄せる。
「そのよいなものをお嬢様からいただくわけには…」
「勘違いなさらないで。今度お父様が新たにスポンサーとしてつくご予定があるから、その視察にいってきなさいという命令よ。」
ニッコリ笑って雅人にチケットを差し出すと、わずかに迷って結局雅人はそれを手にした。
「…承知いたしました。」
「必ずカップルで行きなさい。その上での報告をまっているそうよ」
「仰せのままに」
うやうやしく頭をさげそれを胸にしまう雅人を見て、私は笑いを止められなかった。
これが最後のデートよ。せいぜい楽しみなさい。