執事とお嬢様、それから私


「まぁ!!休講になりましたの?じゃぁその日にしましょ!!かのこのケーキたのしみですわ!!えぇ、ではごきげんよう」


嬉しそうに電話をしているお嬢様を見る俺の心境はとても複雑だ。

多少ワガママでいらっしゃる綾那お嬢様はご友人が限りなく0に近い数しかいない。それを俺を含め旦那様や奥様も大変心配されていたが、あることをきっかけにご友人ができた。

それは大変喜ばしい事である。


ただ、その『ご友人』が…


「雅人!!来週の火曜日、午後からかのこが遊びにきますわ。ケーキはかのこが作ってくださるらしいから、お茶の準備よろしくね?」

「かしこまりました」


何故か俺の彼女。


お嬢様の気持ちは薄々気づいていながら…この間人生に名を残す大失態をやらかした俺。その結果が、これ。


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