執事とお嬢様、それから私


「お土産話、楽しみにしてるわよ雅人。」

「かしこまりました、お嬢様。和之」

「はい。後のことはお任せ下さい」

西園寺家の玄関では早朝にも関わらずお嬢様が東條さんをお見送りに出てきている。

社長秘書もなさっている東條さんは昨日、仕事を夜中(朝方)までやっていたらしく、西園寺家から直接おでかけするようだ。

お嬢様は朝が弱いのに、わざわざ。東條さんは彼女と、でかけるのに。


にこやかな横顔を見る。
最近さらに美しくなった。私は第2執事だからあまりお嬢様の近くにはいられない。だからこそ、つのる。


愛しさが。


勢いあまって告白したあの日の返事を私はもらっていない。


欲しいような

欲しくないような



でもまだきっとお嬢様の心には東條さんがいるから…

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