空になりたかった海

【2】10日(1)、遠ざかる"今"

駅での待ち合わせなのに、ナツが指定した場所は駅裏のコンビニだった。

朝も早いので、裏通りは閑散としていた。


コンビニでパンとジュースを買っていると、ナツが現れた。



「おはよ~」

と、私に抱きついてくる。


「おはよ。あれ、ナツさん荷物これだけ?」

恥ずかしくて、ナツを引き離すと、私は尋ねた。

ナツは、Tシャツに七分丈のジーンズにコーチのハンドバッグという軽装だったからだ。



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