空になりたかった海
高速を降りたとたんに、ひどい雨が降り出した。

窓から空をにくらしく見上げる。


「さっきまで、あんなに天気よかったのに」


「大丈夫よ、私かなりの晴れ女だから。それより、ほら」

指差す方向を見ると、道路の向こうに海が広がっていた。


とたんにうれしくなってしまう。

ついに、熱海にきたのだ。
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