空になりたかった海
「で、ナツさんのこと調べてくれたんでしょ?早く教えてよ」

いつもこうだ…。


彼に優しくされると、つい強気な言葉を向けてしまう。



「分かってるよ。あのな、こないだ夜にあの店に行ってみたんだよ」


「ええっ、飲み屋街に?夜に?ひとりで?」


「質問ばっかだな」
正彦は苦笑して、「まぁ、最後まで聞け」
と、私を制した。


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