【大賞】六天ニ花雪ノ舞フ
窓の外に、雪が積もっている。

庭からは、兄の貴露が薪を割る、力強く甲高い音が、規則的に響いてきていた。

カァン、カァン、カァン。

兄のたくましい腕が、斧を振り下ろす。

そうすると、薪は、綺麗に割れていく。

見ているかのように、晴興は、その光景を頭に描いていた。
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