不良の法律~Judge Town~
そんな俺に月島と名乗る男がこう言ったんだ…。

「ケイタ君は自分のした事にすごく責任を感じています。ですから一度ケイタ君に会ってやってはくれませんか?彼はまだ若い…このままでは社会復帰出来ても、新しいスタートをきれないでしょう。」

手紙を読み終わって俺に、優しく語りかけてきた…。

「…弁護士はこんな仕事もするんですか?」

だが俺は、返事を先延ばしにし、月島に質問を投げ返した。

「これは弁護士の仕事ではないですよ…ただ、ケイタ君に早く社会復帰してもらいたくてね。彼ならまだやり直せる…そう思うと彼に協力したくなったんですよ」

月島さんは、嫌な顔をせず、俺の質問に答えてくれた…。

でも俺は…。

「…返事はまだ言えません。俺の独断で判断出来る事でもないですから…」

今すぐ返事なんて出せない…。

ケイタに会うのが怖いのは一つとしてある。

腹部に刺された傷は癒えた今でも跡がくっきり残っている…その傷を見るたびに思い出してしまうんだ。

どんどん身体から血が流れていく感覚や、脱力感が…。

でも、一番の理由が…ヒサジの事だ。

あの日の事件、一番の被害者はヒサジだからだ。

言ってしまえば事件の発端が、俺に対するカズヤの私怨が始まりだ。

だから、ヒサジはまったくの無関係なのだ…。
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