不良の法律~Judge Town~
カズヤ…お元気ですか?

俺が取り返しのつかない過ちを引き起こして早一年…ガキだった俺は、一時の気持ちで取り返しのつかない事をしてしまいました…。

自分の過ちで麻薬に手を染めたのに、理不尽な理由でカズヤやカズヤの妹を傷付けた事…。

俺は悔やんでも悔やみきれないです…。

ちゃんと直接会ってカズヤに謝りたい…。

カズヤの妹…サヨちゃんの事は警察の人に聞きました。

あの日の事件が原因で、心に深い傷を負わせた事を…。

謝って許される事では無いのは解っているんだ…。

カズヤが許してくれなくてもいい…ただ、俺は直接会って謝りたい。

俺をけなしてもいい…気が済むまで殴ってもいい。

俺が出所するのは今年の夏だ…それまでにいい返事を期待しています。

ケイタ…






手紙の内容を見る限りはケイタが、あの日の事件の事を、ちゃんと反省している様な印象は受けた。

俺だってケイタがちゃんと反省しているのであれば許してあげたい…。

でも…自分の心の中で大きな葛藤が起きているんだ。

物は壊れても買い替えられる…。

でも、人は一度壊れたらおしまいなんだ。

心が広い狭いの話ではなく、根本的な深層心理での判断…。

頭の中で二人の俺が互いに意見を主張しているのだ。

ケイタを許せ…。

ケイタを許すな…。

その決断が出来ず、俺の心が悲鳴を上げているんだ…。
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